top of page

​フランス/ドイツの多様性憲章

​訳:近藤敦(名城大学法学部教授)

​フランスの多様性憲章

 多様性は、社会的・経済的に成功する社会の基盤である。企業や組織の全体的な方針の一部として、多様性憲章は、機会の平等と多様性を促進することを目的としている。
 多様性憲章は、違いを尊重し、信頼に基づくマネジメントの発展に貢献する。それは、チームの結束力を高め、よりよい共生、ひいてはパフォーマンスの源泉となる。
 多様性憲章への参加は、定期的に測定・評価される行動に変換され、社会的・経済的進歩の要因になる。企業や組織のすべての活動において実施されることで、フランスをはじめ世界中の社内外のすべてのステークホルダーから認められるようになる。
 我々、企業・団体は、「多様性憲章」に署名することで、以下のことを約束する。
1 .無差別と多様性の問題についての認識を高め、採用、教育、キャリアマネジメントに携わる役員、管理職、さらに全従業員に対して研修を行う。
2 .企業や団体のあらゆる経営行為および意思決定、特に人事管理のあらゆる段階において、あらゆる形態の無差別原則の適用を促進する。
3 .フランス社会のあらゆる違いや豊かさ、文化的、民族的、社会的構成要素の多様性を、従業員やあらゆるレベルの責任において示すことを推進する。
4 .この原則を尊重し、実行するよう奨励するため、全従業員だけでなく、顧客、パートナー、サプライヤーに対しても、我々の公約を伝える。
5 .多様性の方針の策定と実施を、従業員代表との社会的対話の対象とする。
6 .進捗状況を定期的に評価し、公約の実施による実質的な成果を社内外に報告する。

​フランスの多様性憲章の詳細については、「均等待遇から多様性へ:フランスの多様性憲章の事例」参照。

​ドイツの多様性憲章

 グローバル化、人口動態および社会変化の影響を受けた社会の多様性が、ドイツの労働界を形成している。我々は、既存の多様性を認め、促進し、活用することによってのみ、経済的にも社会的にも成功することができる。
 このことは、我々の従業員の多様性、ビジネス・パートナーや市民の多様なニーズにも当てはまる。さまざまなスキルや才能を持つ従業員の多様性は、革新的で創造的なソリューションの機会を広げる。
 我々の組織で「多様性憲章」を実施することは、年齢、民族的出身や国籍、性別や性自認、身体的・精神的能力、宗教や世界観、性的指向や社会的出身に関係なく、感謝の気持ちをもって働ける環境を作ることを目的としている。多様な可能性を認め、促進することは、我々の組織にとって経済的な利益をもたらす。
 我々は、相互尊重と信頼の風土をつくる。これは、ドイツ国内だけでなく、世界各国での我々の評判に良い影響を与える。
 本憲章を実施するために、我々は以下のことを行う。
1 .相互尊重と感謝の念を特徴とする組織文化を育む。我々は、経営者と従業員がこれらの価値観を認識し、共有し、生活するための基盤を整える。その際、経営者と従業員にはそのための特別な
責任が課せられている。
2 .人事プロセスを見直し、全従業員の多様なスキルと才能に応え、我々の期待するパフォーマンスを満たすようにする。
3 .組織内外の多様性を認識し、その多様性に内在する可能性を評価し、会社や組織の利益のために活用する。
4 .憲章の内容を組織内外の対話の対象とする。
5 .多様性の推進と評価に関する活動や進捗状況について、毎年公に報告する。
6 .多様性の価値について従業員と同僚に周知し、憲章の実施に関与させる。
 我々は、多様性を受け入れ、その多様性を尊重することが、我々の組織とドイツの社会に良い影響を与えると確信している。
 署名した企業・組織は、上記の6 つの活動を行う。

​ドイツの多様性憲章の詳細については、「ドイツの多様性憲章:多様性の責任を負うこと」参照。

bottom of page